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初代竿春の独り言

合成竿の生い立ち

2009年10月03日

「合成竿の生い立ち」について話したいと思います。
 三十数年前になりますが全国の色々な釣り場、釣具店で売れているエサを聞いたところ、「麩のエサが売れている」との言葉を聞きました。ちょうど麩系のエサが主流になりつつあるときでした。ヘラブナ釣りが変化していて、これからの釣りはどう進化して行くのだろうと思いました。その時に気が付いたのがエサの振込みでした。それ以前は廻し振り、襷振りが主流でしたが、柔らかいエサでは飛んでしまう。エサ持ちの関係からも振込み回数も多くなり、柔らかいエサ(ペトコン)をポイントに打ち込まなければならないので送り込みになる。麩系の大エサ、送り込みの回数、水切れの問題などで竹の穂先に限界を感じていました。

穂先にカーボン部品を調達して試作した竿を、裕二(次男)に例会で試験させたのが始まりです。帰ってきた裕二に結果を聞き、手応えを感じたのを今でも覚えています。カーボンという素材の特性を理解すれば竹の欠点を克服できる可能性を感じた瞬間でもありました。しかし、簡単にはいきません。試作を重ねていくとカーボンと竹のバランスがとるのが難しい。市販されているカーボンでは竹が負けてしまう、この問題解決に年数を要しました。柔らかいカーボン穂先の開発です。これにより一気に製品化の目処が付き、開発に拍車がかかりました。その頃に釣り対象となるヘラブナの型も大型化して、竿に求められる要求も変化して来ました。そして、穂持ちにもカーボンを使用した合成竿「響」の誕生です。販売すると反響が大きく、物議を醸し出しました。各方面から苦言を言われたこともありましたが、お客様から賞賛されたことも多く記憶に残っています。本音を言えば合成竿をいちばん創りたくなかったのは私です。純正竹にて理想を追求したかったのも本音です。(純正竹という言葉が創ったのは私です)
 その後、穂先のみカーボンの「冴」を発売し、より純正竹に近い竿の誕生しました。

カーボン竿と竹竿の中間に位置する竿が合成竿です。カーボン竿から竹竿に移行する中間に位置し、移行するのがスムーズになると思っています。現在発売している「大輝」は竹竿の使用者が一人でも増えるように思い開発しました。魚の引きが楽しめ、満足感の味わえる竿に仕上がったと思っています。

カーボン素材を使用して分かったことは、竹素材の素晴らしさを再認識しました。カーボンにはカーボンの良さ、欠点があり、竹には竹本来の良さ、欠点がある。それを理解した上で開発しなければなりません。また、カーボン素材も日々進化しています、技術革新は止むことがありません。新しい素材が出てくるかもしれません、まだ変化する可能性がある限り挑戦して行きたいと思っています。

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