「クラブ50」(その1)
新緑の良い季節となりました。いかがお過ごしでしょうか。
野釣りにとっては最高の季節が巡ってきました。皆さんの釣果はいかが
ですか?
前回予告した通り野釣りの会として、興味ある運営をなされておられます「クラブ50」の会長・岡田浩氏に、会の運営の在り方や野釣りの素晴らしさ等を含めて、いろいろとお話をお伺いいたします。
何故なら、昨今のへら鮒釣りの会の運営が参加者の減少や若者離れ傾向が著しく、日に日に難しくなってきているなかで、従来にない手法で上手く会をまとめていらっしゃいます。
僕から見て「クラブ50」はユニークな運営をしておりまして、将来の釣り会を考える上で非常に参考になるとおもいまして、今回お仕事のお忙しいなか参加していただきました。
「クラブ50」の会について少し僕から説明申し上げますと、名前のごとく50センチ以上の大型を目標とした野釣りの会であります。しかし、会で揃って全員が行動することは殆んどなく、各自が好きな日時や暇な時間に釣行して、50センチ以上のへら鮒を釣りあげましたら、写真と認定者1名による証拠を添えて釣果を報告する、ということで、日時や時間に縛られることなく、団体行動の拘束もなく、各自が自由な時に釣行すればよろしいことであります。当然会ですので会則やルールは有りますが、釣り人として守るべき程度のものであります。
それでは僕から岡田会長に質問しながら、野釣りの素晴らしさや会運営の難しさ等をお聞きしてまいります。
竿春―岡田さんは野釣りに関して多大な興味をおもちですが、その辺から
お話し願えませんでしょうか。
岡田―野釣りにおける大型釣り師に共通するところは、大型のへら鮒がき
たら絶対取り込みたい。その為には仕掛けは太くなるし、竿も柔ら
かいのでは上がらない。
しかし、「魚と対等な立場で勝負して釣り挙げたい。」
それには魚の警戒心の少ない細仕掛けと魚に遊ばれることのない
シッカリとした竿、そのためには竿春親方のハイブリッド竿が一番
適していると思っています。
「産卵期のへら鮒ですと50㎝をオーバーしますと、ゆうに3kg
は超えます。竿春親方の竿を使い亀山ダムで左が葦、右が柳の木の
ある僅か90センチばかりの広さで水深1m程を、ハリス1号にて
尺半のへら鮒を掛け簡単に顔を浮かせて、引き寄せることができた、
竿だからです。」
竿春―僕も野釣りで同じような経験をしました。簡単に話しますと、60
歳くらいの釣り人が魚を掛けては葦に逃げ込まれ、竿が一直線に
なってハリス切れしている釣り場に直面しました。そこで僕の所有
している竿を貸してやりましたところ、魚を取り込むことができ、
感謝されました。(笑)
そのために僕は全国の野釣り場を40年以上に亘って、野本賢二
(蒼海)氏率いる「野本遠征釣りグループ」にお世話になり、何十
年も50㎝以上のへら鮒に耐えられる竿の研究をしたわけです。
竿春―50㎝以上の大型へら鮒を野釣りで釣ることを目標に掲げ、そのた
めの釣りはどうあるべきかを模索している姿に共感を覚えます。
岡田―関西にも同様な会はありますが、関東では量目を中心とした年間ト
ータルが主流なので、関東の人達には馴染みは少ないとおもいます
が、関西では関東と違って主流なのではないでしょうか?
竿春―新しいことを創(はじ)めるとすると、必ず批判と言うより理解に
苦しむ苦情・中傷に悩まされるのが世の常ですが、その辺はどうで
したか?
岡田―基本的な厳格さは自らの釣った魚を報告する際に、現任者1名と写
真が証拠として、厳しく査定しているくらいです。
しかし、比較的自由な会ですので、批判中傷も入ってきます。一例
をあげると、この時期になりますと会員が釣り座を占領して、我が
物顔であたかも自分達の釣り場であるかのごとき態度で地元の人た
ちを怒らせている。と云う様なことです。
現地に行って事情を確かめますと、会員ではないのですが、いつの
間にかあれは「クラブ50」のメンバー達だ、と云うことになって
いるのは残念でなりません。
嫌な噂を流されて会のメンバーの責任であるかのごときことを言わ
れるのも残念です。従来の会と趣を異にしますので、そのためのパ
ッシングかとも受け取られる事もございます。
特に、へら鮒釣りの楽しみ方は色々あってしかるべきでしょう。
量目を釣るのもその楽しみでしょうし、メーカー主催のトーナメン
トに参加して優勝を目指すのも素晴らしいことです。しかし、それ
以外を否定するのは許されざる行為ではないでしょうか?
自然を楽しみながら一日大型1枚との格闘もたのしいものですよ。