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初代竿春の独り言

一本の竿で2本分の役割をする竿

2009年02月10日

竿春工房の若手を中心とした、新作の開発商品についてお話させていただきます。
結論から先に話をさせていただくと、《一本の竿で2本分の役割をする竿》と言うことです。
具体的には竿春工房の若手達で、竿は最初9尺3本継、硬式胴調子で画期的な特色は、穂先・穂持をカーボン素材で元(手元)の竹に繋いだものと、穂先のみカーボンで穂持を竹素材とし元の竹に繋いだものでありますが、ここまでであれば、従来のハイブリッドと冴の商品2本との考えであります※。

しかし、3番の元となる竹は1本であり、季節や魚の活性、大きさを判断していただいて、今日は穂先のみカーボンを使い竹竿の特製を生かした楽しみの釣りをしたい、はたまた、今日は例会なので、カーボンの素材を生かし思いっきり魚を引っ張りたい、と考えた時の使い分け商品として開発いたしました。
 即ち、今日の若者達のニーズに合ったコンセプトとして、『冴』と『合成』の2本分の竿を購入したと同じであり、しかも廉価に設定したところが、利益を度外視して、竹竿の魅力や、使い勝手の良さを広く知っていただくためでもございます。
 だからと言って、竹竿本来の機能性を損なうようでは、新たに開発した意味がありません。
 2番、3番(元)の竹は極力テーパーを抑え、魚を掛けた場合、「胴」に乗る商品とし、本来の和竿感覚を極限まで追求いたしました。
 従来の竿春工房の調子は、硬すぎて竿に色香が無いと敬遠されていたお客さんにも、自信をもって使っていただける商品に仕上がったと考えています。

そう考えますと、2本分の竿の値段になるとお考えでしょうが、従来の竿春工房の若手の尺単価と殆ど変わらないのが画期的でもあります(5本であっても9尺の単価です)。
 何故この様な商品開発をおこなったか。
 正直言いまして竿春及び竿春きよ志の場合、多くのファンか居り、日頃よりお世話になり有難く存じております。しかし、若手を育て一本立ちさせていくのも私に課せられた大きな宿命であります。
 私自身が元気で若手に指導できる最後の機会に成るやもしれません。
 何れ機会がありましたらお話させて頂きたいのですが、現在の和竿職人が竿を作る技術が一通り身に付いたからと言って、「はい、独立」ですと旧来の様に世間に放り出されたら、恐らく1~2年は生活出来るでしょうが、それ以降は生活が成り立たないシビアな時代になっております。
 多くの釣り竿ファンの皆さんが彼らの作品を使っていただいて、使用していただくお客さんと作り手である私どもとの距離感が少しでも縮まり、お客様のストレートな意見によって、若手を育てて頂ければと考えております。
 今回の発売は9尺3本継ですが、以降8尺・10尺・11尺・12尺と順次製作の用意があります。楽しみにしていただければと思っております。
 出来上がった商品やテスト風景は次回のブログ更新時にお見せ出来ると考えております。
 発売に関しては2月末か、遅くとも3月初旬には店頭でお客様に見ていただけるように品揃えをするつもりで準備しておりますので期待してお待ち下さい。
 
※冴も合成もハイブリッドの範疇ですが、機能性、性能等より純正
 竹竿に近い存在とカーボンの竿に近い存在を考えた場合の区別、
 選別の方法について、何れ皆様に詳しくお話する機会を作ります。

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